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「劇場アニメ 君の膵臓がたべたい」を見た人必見! 原作との違い、隠された製作者側の狙いとは!

 

 「劇場アニメ 君の膵臓がたべたい」を見に映画館へ足を運んだ方々も増えてきたのではないのでしょうか!私は実写化映画だけは見ていないのですが...原作、漫画、そして今回のアニメ映画を見てきました。そのこともあって、劇場で「原作・漫画」と「アニメ映画」との違い違和感を感じたのを覚えています。しかし、それらには理由があったことが分かりました!私が感じた原作との違い、それに隠された工夫についてまとめたいと思います。

今回も思いっきりネタバレを含みますのでご注意ください!

 

◆とりあえず目次!

 

1.感じた「原作との違い」や「違和感」...

1.1.暗すぎる...

 1つ目は数日前に上げたブログでも述べたように「主人公の「僕」が暗すぎること」です。これは、原作と漫画の両方と比較しても、明らかに暗いです。このことについては原作を読んだ方はすぐに気になった点だと思います。

 

1.2.雰囲気が壊れた?

 2つ目は「最後の雰囲気違いなファンタジー感」です。原作を読み、共病文庫を主人公が読むシーンの雰囲気で本映画のような「ファンタジー感」を頭に想像していた人は...少ないと思います。漫画を読んだ人はなおさら。初めてこの作品に出会った人も違和感を感じたシーンであると思います。

 

1.3.「名前」に込める意味

 3つ目は「原作者が込める「名前」への思いについて」です。これは原作や画を読んでいないと分からないのですが、「僕」は相手からどう思われているかを想像することを趣味にしています。そのため、原作・漫画では【秘密を知っているクラスメイト】くんと書かれていたりします。また、終盤で明かされる「僕」の名前と、ヒロインである山内桜良の名前との関係、それと物語は実に繊密に考え、設定されています。それが劇場アニメでは原作ほど伝わってこなかった印象があります。

 

1.4.イメージが全然違った...

 4つ目は「漫画と劇場映画の違い」です。私は本作品において漫画の印象が強く、漫画で描かれていた「君の膵臓がたべたい」をイメージして映画を見に行きました。自分の中での「君の膵臓がたべたい」がガラリと大きく変わりました。

 

1.5.何故、泣けたのだろうか。

 5つ目は上に挙げてきたような原作・漫画との違いが生じていながら「何故、泣けたのか?」ということです。主人公のイメージが変わり、予想していなかった世界観が加わり、知っている作品とは違うはずなのに「原作を読んだときのような」感覚になるのか不思議に思いました。

 

2.全ては制作側の練っていた計算!

2.1.主人公「僕」の表現法

 何故「僕」が暗かったのか...。そこには製作者側の明確な意図がありました。それは「ヒロイン”山内桜良”との対比をしっかりさせたかった」ということです。元気で明るく誰に対しても優しい”桜良”が興味を持った「僕」はきっと正反対である。という考えから、原作とは違った「僕」が生まれたようです。

 また、暗く、人格が出来上がっていない脆さを持った「僕」を表現するために、声優経験がない方が担当されています。もしかしたら棒読みではないかと感じられた方もいると思いますがおそらく、これに起因しているかもしれません...。しかし、「僕」が暗く、人に興味ない雰囲気をしっかり纏っていたため、”桜良”を心配している姿を見たときに「僕」の大きな変化を感じることが出来たのだと思います。

 

2.2.ファンタジー感は実は...

 私個人の感想を言うと、「うわぁ...やっちったな。」といった感じでした。「僕」が”桜良”の遺書である共病文庫を読むシーンは、「僕」の中で”桜良”と対話するような場面です。お涙必至のシーンで今までとは、全く違う雰囲気に飛ばされたので、私としては少し残念だと感じました。しかし、私の単純な頭では思いつかなかった創作者側の狙いがありました。あの世界観は”桜良”が「僕」に貸した本である星の王子さまからきています。また、「無重力感」を特に大切にされたようです。原作では、作者がどのようなイメージでそのシーンを書かれたのかは分かりませんし、作者のイメージと合っていたのか定かではありません。ですが、劇場アニメでしか楽しめない部分だと思いました。

 

3.3.映画製作者と原作者が共に大切にしたものとは...

 私は原作・漫画と見てきて、内容をすでに知っているのに加えて、期待していたイメージと違ったという少し残念な感覚がありました。にも関わらず、原作を読んだように泣き、もっと作品を深く知りたくなる、作品から離れたくなくなるような...この感情をうまく言葉にできないのですが、そんな原作を読んだときに感じた感覚を映画を見ても覚えました。なぜか、という問いについて考えていたのですが、パンフレットに載っていた監督や原作者へのインタビューにて答えられていました。

 ずばり、この理由は原作を読んだ時と同じ「読了感」を大切にされていたためだったのです。すなわち、原作を読んだ時の気持ちと映画を見た時の気持ちが同じになるように工夫したということです。そう答えた”住野よる”さんは映画の製作に深く関わったとも述べられていました。また、劇場アニメ だけの「花火のシーン」など原作にはないオリジナリティーが印象的であったことも大切であったと思いました。きっと、作品の生みの親である”住野よる”さんの意見がしっかり反映されたからこそ、制作者が聞き入れたうえで試行錯誤したからこそ、劇場アニメでも感動し、泣き、そして見てよかったと思えたのだと思います。

 

4.まとめます。

 今回、私自身が映画を見てココはどうしてだろう...と思ったことを まとめてみたのですが、皆さんは映画を見てどんな疑問が浮かんだでしょうか。そんな、なんで?と思うことも本作を見るうえでの1つの楽しみになっているのかもしれません。

 また、今回疑問を払拭してくれた情報が載っていたのは映画館で購入できる本作品のパンフレットです。上で語った以外のことも載っていますので気になった方は手にしてみてください。

 ...パンフレットを読み終え、表紙を見ると...桜良から春樹に共病文庫が手渡され...

                                     END

【ブログ Vol.11】