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新作1位、総合2位の実力とは!「86-エイティシックス-」を読了しました!

 第23回電撃小説大賞「大賞」受賞作であり、「このライトノベルがすごい!2018」文庫部門において新作1位及び、総合2位を獲得した本作 「86-エイティシックス-」を読了しました。一冊にかけた時間で言えば一番長かったかもしれません...。しかし、時間をかけてみてよかったと思わせる作品でした!初めにそれだけは言っておきます!では、感想を以下にまとめていこうと思います。

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◆目次

 

1.作品情報

著者:安里アサト

イラスト:しらび

メカニックデザイン:I-IV

出版社:KADOKAWA

ブランド:電撃文庫

賞:第23回電撃小説大賞「大賞」

あらすじ

 サンマグリノア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。

そうー表向きは。

 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない”第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人無人機》として戦い続けていたー。

 死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る”指揮管制官”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まるー!

 第23回電撃小説大賞《大賞》の栄冠に輝いた傑作、堂々発信!

    本作品の裏表紙より引用

2.感想

2.1.まずは良かった点!

 

2.1.1.悲しい現実...

 まず、”良かった”だけでなく”すごい!”と感じたところにもなるのですが「酷く辛い現実を強く確定させた」ことです。この作品における”サンマグリノア共和国”は誰もが「ひどい。」と感じるほど劣悪非道です。有色種の人間は人としては扱わず豚と同様に扱い、国で掲げた”自由”、”平等”、”博愛”、”正義”、”高潔”の全てを自らの足で踏みにじった国。この国の酷さをこれ以上にないくらいに強く設定することで、”エイティシックス”の置かれている環境の劣悪さなどが極まっています。そのため、この作品の印象が強く残りました。

 

2.1.2.1度で何度楽しいの...?

 この1冊に様々な要素が含まれています。犠牲成長努力運命友情恨み差別不屈。これらから生まれる感動面白さカッコよさが凝縮されています。ただ、これらの要素が含まれているのではなく、上手にブレンドされていることがこの作品の素晴らしいと感じた部分です。だからこそ、違和感なく読める。 

 私が特に印象に残ったシーンをいくつか紹介したいと思います。

 1つ目はシンと兄との戦闘シーンです。特にそのシーンは詳しく描写されており、イメージしやすいところだったと思うのですが、想像しただけでカッコよくて、危なくて、そして凄まじいです。シンの印象が強く残るシーンだったと思います。

 2つ目にレーナが理想、幻想の殻を破り、エイティシックスのピンチにミサイルの援護を行うシーンです。ここで1つ、レーナの成長、感動を感じました。

 この作品はシンが兄の弔いを行うという話が描かれていますが、レーナの成長、国に対する変革物語と受け取ることが出来ると思います。

 

2.1.3.読む手が止まらない。

 本作は「常に先が気になる物語」であると感じました。即ち、物語を読み進めるうえで常に「次がどうなるの?」とか「それはなんで?」という疑問や探求心に似た気持ちを誘発させられていたのだと思います。それは、1巻目を読み終えた時でも同様で、読み終えたその足で2巻目を買いに行ってしまうほど...。

 

2.2.次に少し気になった点...

 

2.2.1.横文字が多すぎる...

 戦争モノではしょうがないことではあると思うのですが...「横文字が多い」です。普段はコメディ系の のほほんとした作品を読んでいるためか横文字に耐性がなく...最初に述べた通り読破するのに時間がかかりました。恐らく2週間ほど。分からない単語は調べ、読んでいたため予想をはるかに超える低速度で読みました。横文字が苦手な人は抵抗を感じてしまうかもしれません。逆に、足りない想像力や知識をアニメなどの映像によって解決してほしい。戦いが含まれているため映像にすると臨場感や迫力が表現されるとも思うし…。アニメ化の知らせが来ませんかね...。

 

2.2.2.固有名詞が多い

 これは得意な人は問題ないと思うのですが、固有名詞が非常に多いです。登場人物の呼び方すら2種類あるほか、戦闘機にも名前がつくので頭に定着するまではイラストと文章を行ったり来たりしていました...。すぐ覚えてしまえる人にとっては造作もないことなのかもしれません!

 

3.まとめます!

 凄く評価が高いし、読んだことのないジャンルでチャレンジしたい気持ちで手に取り、読むこと自体には苦労しました。なぜか4時間も読書しているのに100ページも読めないという...。また、伏線もしっかり張られていて、注意する表現も多かったです。読むのには時間はかかりましたが、本作が評価されている理由にはすぐ気付くことが出来ました。

 戦闘ものは読まない方、カタカナばかりは苦手だと思っている方。ぜひこの作品を手に取ってみてください。時間をかけても読んで良かったと思わせるクオリティーを持っています。

 私もこの続きは読ませていただこうと思います。次巻を読み終えたらまた、書きたいと思いますので!ここらへんで!

【ブログ Vol.12】